第8回
ノミについて

 暖かさが日ごとに増し、過ごしやすい季節となりました。ペット達もどんどん外へ出て動きたくなる季節ですね。ここで問題となって来るのが、ペット達に寄生してかゆみを起こす『ノミ』の問題です。今回はノミの生態から予防までを書いていきたいと思います。

ノミって?

動物の皮膚に寄生し、吸血する昆虫類の外部寄生虫です。犬、猫に通常みられるノミには、イヌノミ、ネコノミという種類がありますが、現在ではほとんどがネコノミの寄生といわれています。ネコノミとはいってもネコにだけ寄生するわけではなく、イヌや人などあらゆる動物に寄生します。ノミには一定のライフサイクルがあり、卵→幼虫→さなぎ→成虫という形で発育をします。動物に寄生しているのは成虫だけで 10日間〜20日間。その他は卵、幼虫、さなぎといった形で2〜3週間を動物の近くの環境でひっそりと生活しています。 一般に約3〜4週間、環境によってはさらに短期間でこの発育を繰返します。

ノミによる犬・猫の被害

★皮膚炎・・・ノミの吸血によって皮膚に発疹ができ激しいかゆみを伴います。イヌやネコではかゆみのために引っ掻いたり噛んだりするために深刻な皮膚炎を起こします。
★貧血・・・体重の少ない動物では、大量のノミの寄生を受けるとノミの吸血によって貧血を起こします。
★アレルギー・・・さらには吸血時に体内に入るノミの唾液によってノミアレルギーになることがあり、ノミの存在自体に激しいアレルギー症状を起こします。
★寄生虫の感染・・・ノミは別の寄生虫、瓜実条虫(うりざねじょうちゅう) を運んできます。瓜実条虫は消化管消化管に寄生する体長1mにもなる寄生虫で、人間にも寄生することがあります。

※ヒトへの被害・・・ヒトにも吸血しますが、ずっと寄生するわけではありません。症状は手足や体の皮膚に発赤や湿疹が生じ、激しいかゆみを伴います。

ノミの予防方法

ノミにはたくさんの病気をひき起こす素因があるため、動物と生活する上で、確実に予防する必要があります。ノミには大きく分けて身体に寄生している成虫の期間と環境に潜んでいる卵やさなぎの期間があります。
通常は暖かい時期4月〜10月が要注意といいますが、実は一年中の対策が必要です。というのも、現在では家庭内で暖房や加湿器といった設備が普及しているので、ノミにとっては寒いはずの冬の期間でも天国なのです。一般的にノミは15℃以上で発育します。また、環境が良くなくても、さなぎの状態で越冬できるといわれています。
では、ノミの予防方法を具体的に挙げていきましょう。

予防タイプ
特徴
スポットタイプ
首の後ろに滴下する。使いやすい。
動物が嫌がらない。
乾けば舐めても安全。
薬剤によって1〜3ヶ月の効果。
ダニにも有効な薬剤が開発されている。
※成虫にしか効果がない。
効果発現までに1〜2ヶ月かかる。
スプレータイプ
全身に噴射して使用する。
もっとも即効性がある。
乾けば舐めても安全。
薬剤によって1〜3ヶ月の効果。
室内や犬小屋など環境にも使用可能。
ダニにも有効な薬剤が開発されている。
※成虫にしか効果がない。
飛び散りや臭いがあるので動物が嫌がる。
首輪タイプ
首輪の中にノミ駆除剤が入っている。
手軽。
効果は1〜4ヶ月。
※成虫にしか効果がない。
市販のものだと臭いがキツイ。
首輪の下をノミが通らないと効かない。
外に出る猫はすぐになくしてくる。
内服薬・注射薬
ノミの卵を孵化しなくする。
内服は1ヶ月、注射薬は半年の効果。
※成虫には効果がなく、ノミの寄生は予防できない。
外に出る機会のある動物は常に新たな寄生を受け
るので効果が曖昧。
ノミ取り粉
身体にふりかける。
即効性あり。
室内や犬小屋など環境にも使用可能。
※成虫にしか効果がない。
吸入すると危険。
シャンプー
即効性あり。
持続性なし。


現在の主流はスポットタイプですね。ノミの寄生がなければスポットタイプだけで十分だと思います。愛犬、愛猫を守るために、ノミのライフステージを理解し、的確な予防方法を選択しましょう。

 



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